サムネイル画像引用:http://www.philstar.com
前回に引き続き3か月後に迫ったフィリピンの歴史が変わるかも知れない大統領選挙について、今回は各候補者と公約等についてお話ししたいと思います。
3カ月後にフィリピンという国が変わってしまうかも知れない話ーその①-はこちらからどうぞ。
今回、5人の立候補者がいます。
まず立候補にあたってフィリピン内で話題になったのが「立候補者の条件」です。
下のリストをご覧ください。
大統領への立候補条件とガードマンになるための条件です。
左が大統領候補条件、右がガードマン候補条件です。
ガードマン条件のほうが厳しいのが一目瞭然!
なんと大統領候補は
・フィリピンに国籍がある
・選挙権がある
・読み書きができる
・40歳以上
・過去10年以上フィリピンに住んでいる
のみです・・・
なので中にはこんな候補者も
「神が私を大統領に任命した」と言い張る人や南国のフィリピンに「四季を作ります!!」と張り切る人・・・(笑)
「四季を作る」には目玉飛び出そうになりました。
公約等があまりにもバカげたものは排除された上で、今回の候補者5名についてお話ししたいと思います。
①Jejomar Binay(ビナイ)
(引用:http://www.localpulse.net/)
所属:マカティ市 政治家一家 現副大統領
背景:特に建築関係の汚職を操るトップ。最近ではマカティの駐車場ビルのトイレについて議論されていますが、ひいきにしている建築会社に依頼し実際の値段の3倍~6倍ほどの予算を組んで儲けをわけ分けしているようです。
でもそんなことは序の口。
彼の所有する350ヘクタールの家・敷地・施設がやりすぎと国民の非難を浴びています。
〈汚職宮殿〉
(引用:http://www.equalizerpost.com/)
・マンション・リゾートエリア
・エアコン付き養豚場
・40台分の駐車場
・闘鶏用の養鶏場
・手作りラグーン
・英国調庭園
・洋蘭農園
・馬用牧場
これ個人の家です。信じられますか??
どうやって手に入れたのかという質問に対し「お母さんからもらった」との回答。
しかし選挙活動のプロモーションビデオでは病気の母を映し、貧しい家で育ち薬も買えなかったと国民と同じ立場で理解者であることを主張。有名な芸能人を起用し素晴らしいプロモーションビデオを作っていました。オリジナルソングもあります。
薬も買えない貧しい家庭の母からもらった大豪邸・・・。矛盾すぎる。
実際このビナイと繋がっている土木建築関係の会社経営をしているお家の息子さんを知っていますが、そちらもリゾートホテルのような豪邸です。
ちなみに今回の選挙戦活動の協力を依頼するも全員に断られ、娘さんが「もぅ誰でも良いからパートナーになってください!」と発言、国民の失笑を受ました。
公約:汚職撤廃。事業の開発優先制度の整備。IT事業の発展。減税。鉱業・農業・製造業の拡大。
②Miriam Defensor Santiago(ミリアン)
(引用:http://miriam.com.ph/)
所属:イロイロ市
背景:頭の悪い人が大嫌い。敵に対してジョークを交えた口での攻撃に定評がある。
ユーモアもあり昨年コメディ本を出版。我が家にも一冊あります。
ハーバート、ケンブリッジ、オックスフォード大学で学び法学部の博士号保持。
27年間政治家として活動。偽造パスポートの取り締まりやマフィア、買春目的の白人の旅行者の撲滅に努めてきた。
多数の犯罪者から殺人予告を受けたが、彼女はそれに対しその手紙を『朝ごはんとして食べた』と発言、肝っ玉ぶりを見せる。
1992年に大統領選に立候補したが車にひかれて重傷を負う。2か月後奇跡的に復活し選挙活動を再開。
開票の際彼女の票が圧倒的に多くみられたが突然フィリピン全土が停電し、別の候補者が当選した。
すべては仕組まれた罠だと言われている。
去年ステージ4のガンを克服。不死身の才女。
公約:汚職撤廃。優先開発支援金制度(選挙での支持確保を目的に、
③Grace Poe(グレース)
(引用:http://newsinfo.inquirer.net/)
所属:マニラ
背景:超有名な芸能人(日本でいう北野武級)の養子。
以前その父も大統領選に出馬したが落選した。すでに死亡している。
政治家としての活動経験なし。映画やテレビの内容をチェックし視聴年齢制限等を取り決める議長。
アメリカの大学を卒業しアメリカ国籍取得するもその後フィリピンの国籍を再取得する。
公約:汚職撤廃。教育制度の整備。生産業の拡大。雇用の増大。情報開示。減税・所得の増大。電気代を減額し、ニューパワー事業の開始。OFWのサポート。人権や障害者・女性・子供・老人を守る制度の確立。
④Mar Roxas(ロハス)
(引用:http://politics.com.ph/)
所属:ケソン市
背景:現大統領の後任。
2010年の大統領選出馬を予定していたが現大統領にその席を譲った。副大統領に立候補するも落選。
歴代大横領の孫。以前はNYの中小企業向けの投資銀行で勤務。
国民にこのような頑張っている感のある活動をアピールし共感を得ようとするが、とてもわざとらしく一部の人々からバカにされている。交通渋滞警備(Traffic Enforcer)の活動では、この写真を撮るがために交通渋滞ができたと非難を浴びている。
公約:現大統領の通称ストレートロードを継続。(現大統領の素行もかなりひどいので別の記事で詳しく紹介します)
そして最後は我らのドゥテルテです!!
⑤Rodrigo Dterte(ドゥテルテ)
(引用:https://durianburgdavao.wordpress.com)
所属:現ダバオ市長
背景:彼はフィリピンで一番危険とされているミンダナオ島の中でありながら、管轄するダバオ市を「世界で9番目に安全な街」に変えました。犯罪機関に対抗すればすぐに消される恐ろしいフィリピンで、自分の命を危険にさらしてまでも夜間にひとりタクシーで巡回し町の治安を守っています。
はじめ国民は「誰この人?」というほど知名度の低い人でしたが、彼の一生懸命本気であきらめず犯罪と戦う姿、ダバオ市を変えた実績を見て徐々に国民に注目される存在となり、現在はたったひとりのホープです。
国民が頼みに頼んで大統領選挙に立候補させました。詳しくは3カ月後にフィリピンという国が変わってしまうかも知れない話ーその①-に書いていますのでそちらをどうぞ。
公約:3か月~6か月の期間でフィリピンをがらりと変えると約束しています。
汚職徹底撤廃。まずは警察を機能させるため、現在の17000ペソ(日本円にして約44000円)の月給を100000ペソ(約26万円)に昇給する。それにより賄賂による犯罪スルーを撲滅。
教育・農業・医療に3大予算を投入する。ローン金利減額。
『約束したことは自分の命や名誉、大統領としての任務がなくなろうとも、最後まで必ずやる。』と。男前ですね。
みなさんはだれ推しですか??
次回はフィリピンで25年ぶりに開催された第1回候補者ディベイトについてお話ししたいと思います。